2004年8月16日
千葉市長 鶴岡 啓一 様
千葉市学童保育連絡協議会 会 長 平野 和善
子どもルーム(千葉市放課後児童健全育成事業)
の改善及び2005年度予算編成に向けた要求書
日頃、貴職が子どもルーム(千葉市放課後児童健全育成事業)の発展にご尽力されていることに大いに敬意を表するとともに、関係者のご努力に感謝申し上げます。
私たち子どもルームの父母・指導員・関係者は、子どもルームが、雇用状況がますます厳しさを増すなかで広く市民の就労継続を支援する場として、また何より将来の社会を担う子どもたちの放課後の安全を確保し健全な成長を図る場として、いっそう充実していくことを切に願っております。
しかしながら、市内の子どもルームの現状をみると、緊急に改善が必要なことや来年度の予算のなかで対処していただきたいことがございます。これらの点のなかから、特に下記の10項目につきまして、ぜひともご検討していただけますようお願いいたします。
記
1. 待機児童を、至急、解消してください。
2. 1学校区に1ルームを設置及び指定ルームの解消に向けた具体的な計画を示してください。
3. 大規模ルームを解消してください。
4. 利用対象を、原則として6年生まで拡大してください。
5. 児童の安全確保や円滑なルーム運営のために基本備品・設備を拡充してください。
6. 開設時間を延長してください。
7. 利用料の適正化をはかるとともに、減免措置の要件を拡大してください。
8. 指導員の定着と資質の向上をはかるため、指導員の常勤職員化、配置人数の改善、研修制度の拡充など労働条件を改善してください。
9. 特別な支援を必要とする児童や障害のある児童を受け入れるための環境を整備してください。
10. 保育内容や運営について、父母と指導員の声を反映させる仕組みを整備してください。
1. 待機児童を、至急、解消してください。
現在、子どもルームにおいて、新1年生にまで待機児童がいる状況は、児童の健全な成長とその親の就労確保にとって、きわめて深刻で大きな問題です。
(1)現在の待機児童を解消するために、至急、施設の改修や分室などを行ってください。
(2)今後の対応に向けて、市は、各学校区の待機児童数を調査し、ルームの新規設立計画など抜本的な対策について明らかにしてください。
(3)これら待機児童への対応については、当該地区の父母および千葉市学童保育連絡協議会(以下、市連協)と協議しながら進めてください。
(千葉市回答)
未設置学区への新規開設を図るとともに、既存施設の見直し等検討をするとともに、受け入れ枠の見直しなど検討してまいります。
2. 1学校区に1ルームを設置及び指定ルームの解消に向けた具体的な計画を示してください。
(千葉市回答)
子どもルームの整備は、千葉市次世代育成支援行動計画『夢はぐくむ ちば 子どもプラン』で平成21年度までに原則全小学校区に設置することを目標にし、計画的に進めているところです。
また、指定ルームは、これまでも解消に努めてきており、平成17年4月現在5か所となっていますが、今後ともできるだけ速やかに指定ルームを解消できるよう努めてまいります。
3.
大規模ルームを解消してください。
厚生労働省も示している、適正人数は30人であるように、適正な保育が実施されるためには、1ルームの適正な児童数について40名を上限と考えています。しかし平成16年5月1日現在で市内88ルームの内、41名以上のルームは、過半数以上の64カ所(約73%)に上ります。さらにその内、50名以上のルームは40カ所、さらにその内60名以上のルームは24カ所あり、70名以上のルームも実に9カ所あります。
(1)これら大人数の児童が通う大規模ルームでは、児童の安全確保、充実した保育の実施等に大きな不安を抱いています。早急に2箇所に分割するなどの対策を取ってください。
(2)自学校区にルームがないために他の学校区のルームへと長距離を通っている児童が、交通事故や犯罪に巻き込まれないかと大いに危惧しています。同時に、これらの児童はルームの大規模化の要因でもあります。ルームの新規設置を積極的に進めてください。
(3)新規開設や移転となるルームの仕様については、2000年度(平成12年度)発足ルームの水準を下回らず、より充実を図ってください。また、新規開設・移転の際には、ルーム周辺の環境について十分考慮するとともに、近隣社会に理解を図り、より良い環境で子どもたちが過ごせるように配慮してください。移転等の際には保護者や関係者と十分話し合いを持ってください。
(千葉市回答)
人口急増地域においては、既存の施設の受け入れ枠を上回る利用希望が出されているルームもあり、施設の増設や移転などにより、待機児童の解消に努めてきました。
今後とも、利用状況に応じて適切に対応を図ってまいりたいと考えております。
4. 利用対象を、原則として6年生まで拡大してください。
4年生以上の児童についても、放課後、児童が犯罪に巻き込まれず安全に過ごすことができ、かつ、適切な保育のもとに健全に成長する場として、子どもルームの必要性が低くなることはありません。
(1)児童福祉法第6条の2における「おおむね10歳未満の児童」という規定について、その年齢に学年として4年生が含まれ、かつ「おおむね」と付加されている条文の意図をくみとり、千葉市放課後児童健全育成事業実施要綱における利用対象に4年生を明記してください。
(2)千葉市の地域性をふまえると、全国的な基準を示したものである児童福祉法における放課後児童健全育成事業の基準で十分であるはずがありません。また、児童福祉法の基準は、運営委員会委託方式の実績をふまえると大きな後退です。5・6年生でも施設に余裕が有れば利用を認めてください。また、施設に余裕が無くても待機児童としてカウントしてください。
(3)上記1の待機児童への対策について、4年生から6年生までの利用希望者を含めてください。
(千葉市回答)
本市の子どもルーム運営事業は、児童福祉法に定める放課後児童健全育成事業として実施しており、同法では、対象児童をおおむね10歳未満としています。
また、国の「放課後児童健全育成事業実施要綱」におきましても、「保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校1〜3年生に就学している児童」と規定されていますが、「健全育成上指導を要する児童も加えることができる。」とされています。
このことから、本市としましては、4年生については、1〜3年生が利用してもなお施設に余裕がある場合に受け入れることとしています。
また、5・6年生については、同様に施設に余裕があり、申し込み児童に渉外や慢性疾患があり見守りが必要な児童及びひとり親家庭の児童など、特別な事情がある場合に受け入れることとしています。
現時点では、施設の受け入れ能力から、4年生以上の利用希望するすべての児童を受け入れることは難しい状況にあります。
また、4年生から6年生の利用希望者につきましても、待機児童として取り扱い、施設に余裕が生じた場合は受け入れています。
5. 児童の安全確保や円滑なルーム運営のために基本備品・設備を拡充してください。
(1)老朽化により危険性のある施設、父母・指導員の要望と大きく異なるルームについては、今年度以降の施設改修計画において、速やかに改修・移転等の対策を行ってください。
(2)ルーム周辺や通所路に街灯や横断歩道がなく、児童の通所や帰宅時の安全確保に大きな問題のあるルームについて、至急、対応してください。また、周辺の環境が保育にふさわしくないルームについて、早急に利用関係者と相談のうえ、移転など抜本的な改善を図ってください。
(3)児童の健全な成長、緊急時等の安全確保のために所庭が必要です。学校外ルームについては専有の所庭の整備を、学校内ルームについてはルームの希望により校庭を使用できるよう、関係者に働きかけてください。
(4)児童の安全確保や円滑なルーム運営にとって、下記にあげる備品・設備は、きわめて基本的なものと考えます。これらの基本備品・設備が未整備のルームについて、至急、整備してください。
@緊急避難用の出口の設置。不審者の侵入時や緊急時の非難口を確保するため。
A定期的な畳替え(カーペット交換)の実施。衛生と安全を確保するため。
B蛍光灯カバーの取り付け。児童等が蛍光灯に接触した際、破損によるケガを防ぐため。
C窓ガラスの飛散防止対策。ガラスの破損によるケガを防ぐため。
Dドアの開閉時の安全対策。指をはさまれることによるケガを防ぐため。
E医療薬品の保管用の鍵つきロッカー。誤飲を防ぐため。
Fコピー機・印刷機の設置。市や社会福祉協議会より配布された文書などを速やかに保護者等に周知するため。
尚、これらの設備・備品の整備については、各ルームの意向や実態に応じて進めてください。
(千葉市回答)
老朽化した施設については、これまでも計画的に改善してきたところであり、今後とも同様に整備してまいります。
蛍光灯カバーの設置、窓ガラスの飛散防止及び畳の修繕については、適宜実施していますが、借上げ物件は建物の構造又は賃貸契約上不可能なものもありますので、個々のケースに応じた対応を行います。
また、医療薬品の保管ロッカー等については、社会福祉協議会と協議していきたいと考えます。
6. 開設時間を延長してください。
父母の就労条件が厳しさを増すなかで、ルームの閉所時間に対応するために就労時間を調整することは、リストラ、給与の減額等と無関係でなくなっています。また、より遠方の勤務地への就労・異動を強いられることも多くなっています。
(1)広く父母が就労の機会を確保するとともに、安心して就労できるように、開設時間を午後7時まで延長してください。
(2)夏休みなど長休時の開設時間を午前8時からに延長してください。
(千葉市回答)
子どもルームの開設時間の延長につきましては、指導員等の労働条件等に影響することなどから、慎重に検討すべき課題であると認識しています。
7. 利用料の適正化をはかるとともに、減免措置の要件を拡大してください。
(1)利用料が値上げされた一方で、父母の就労状況や賃金の低下はいっそう厳しさを増しています。就労を希望する家庭が広くルームを利用できるように、利用料を軽減してください。また保護者負担について、「運営経費の概ね1/2とする」という規定にとらわれず、予算措置を大幅に増額してください。
(2)利用料について減免制度がありますが、現状では半額負担世帯は全体の2.6%しか含まれておらず、減免制度が十分に活かされていない状況にあります。そこで、半額負担世帯の要件として要保護及び準要保護児童の認定基準に該当する世帯を含むなど、減免の要件を見直し拡大してください。
(千葉市回答)
利用料については、施設整備費を含まない指導員の人件費等の児童を直接処遇するための経費のみを基に算出しており、必要最小限の負担をお願いしているところです。
また、利用料の減免については、前年度の市町村民税の課税状況に応じて決定しており、この他にも2人以上利用している世帯には、2人目移行の児童については減額措置を講じています。
8. 指導員の定着と資質の向上をはかるため、指導員の常勤職員化、配置人数の改善、研修制度の拡充など労働条件を改善してください。
(1)短期間で複数の指導員が退職し、落ち着いた環境で保育が実施されないルームがあります。指導員が児童の安全と成長に責任を持って仕事ができるように、1年雇用の非常勤職員でなく、常勤職員として賃金・労働条件の整備を図ってください。
(2)私たちは、指導員の配置数について、児童30名以上に3名が最低必要と考えます。そこで、児童数が40名を超えて大規模ルームとなっている場合には、分割などの抜本的対策を講じるまでの緊急措置として、指導員を1名以上加配してください。
(3)保育内容の充実に向けて、指導員の技能・資質の向上のための研修を充実させてください。
(千葉市回答)
指導員の雇用形態については、千葉市社会福祉協議会が非常勤職員として採用し、依嘱期間は、4月1日から翌年の3月31までの1年以内としていますが、毎年更新することができることと定めています。
指導員の配置については、障害児の入所状況や施設の環境を勘案し、必要に応じて補助指導員を加配しています。
指導員の研修については、社会福祉協議会と協議し、今後とも充実に努めてまいります。
9. 特別な支援を必要とする児童や障害のある児童を受け入れるための環境を整備してください。
(1)指導員の研修に障害児理解教育を取り入れてください。
(2)必要に応じて、速やかに施設を改修してください。
(3)学校へのお迎え等を考慮し、必要に応じて速やかに指導員を加配してください。
(4)指導員の要望があった場合は、市職員・運営相談員の他に、障害に関する有資格者(療法士他)を定期的にルームに派遣して、相談を受けられるようにしてください。
(千葉市回答)
平成15年度社会福祉協議会主催の研修において、「特別な支援を必要とする児童への理解と対応」をテーマに実施したところです。平成17年度においても同様のテーマでの実施を予定しています。
また、施設の改修や補助指導員等の加配については、保健師を含めた市職員及び社会福祉協議会所属の運営相談員等による面談を実施し、必要に応じて対応しているところです。
支援を必要とする児童等の相談については、関係機関と協議し相談をうけられるよう努めてまいります。
10.
保育内容や運営について、父母と指導員の声を反映させる仕組みを整備してください。
(1)父母と指導員の意見交換の場として、指導員と父母とが充分な連絡をとれるよう「指導員と保護者の懇談会」の開催回数を現行の年4回にとどまらず、父母より要請があった場合、指導員の参加を指導してください。
(2)父母が主催する行事に対し、指導員の参加を認めてください。
(3)千葉市放課後児童健全育成事業実施要綱の第21条に明記されている千葉市放課後児童健全育成事業推進協議会(「推進協議会」)の設立について、市連協と協議の場を持ってください。
(千葉市回答)
父母と指導員の意見交換の場として年4回実施しているところですが、開催回数や父母が主催する行事への参加及び千葉市放課後児童健全育成事業推進協議会の設立については、今後、千葉市社会福祉協議会(以下「社会福祉協議会」といいます)と協議したいと考えています。
以 上